婦人科

思春期外来

小学校高学年頃から始まる「思春期」は、心身ともに大きく変化する時期。子供にとっても親にとっても、戸惑いが多いですよね。思春期特有の状態で不安に思うことがあったら「思春期外来」を受診して下さい。
思春期とは一般的に女の子は10～14歳、男の子は12～14歳頃に起こる「第二次性徴」の始まりから終わりまでのことをいいます（※1）。この思春期は、18歳頃まで続きます。
この時期は、生殖能力を持つことで、心身ともに子供から大人に変わっていきます。女の子は乳房の膨らみや女性らしいボディラインが形成され、男の子は陰囊の膨らみや声変わりなどがみられます。
また、ホルモンバランスの変化によってイライラしたり、体の変化に心が追いつかなくて不安定になったりと、精神的にアンバランスなのも思春期の特徴です。

以下のような症状があった場合は、思春期外来を受診ください。

• ①月経不順
• ②高度な月経痛
• ③月経前の不快な症状

※基本的に内診は行いません。
エコー検査、ホルモン検査などを行います。

更年期に関する診療

1、女性の更年期とは

女性の更年期は、閉経をはさんで前後各5年ほど、合計約10年間を指します。閉経の時期には個人差がありますが、大体50歳ぐらいが平均的な閉経年齢です。閉経を50歳とした場合、45歳～55歳が更年期にあたります。 この年齢以外でも更年期の症状がつらくて、日常生活に支障を来すような場合を「更年期障害」といいます。

2、更年期に現れる症状

更年期には、さまざまな不定愁訴が現れることが知られていますが、代表的な症状はホットフラッシュと呼ばれる「のぼせ」「ほてり」「発汗」です。特に運動したわけでもないのに、急にカーッとほてってのぼせたり、寝汗でパジャマがぐっしょり濡れてしまったりすることもあります。
ほかには、「手足の冷え」「だるい·疲れやすい」「眠れない」「クヨクヨ·憂うつ」「イライラ」「頭痛」「動悸」「肩こり」「関節の痛み」「めまい」「耳鳴り」「物忘れ·記憶力の低下」「腟の乾燥·性交痛」など、さまざまな症状があります。 症状の出方は個人差が大きく、ほとんど症状を感じないまま更年期を終える人もいれば、いくつもの症状に悩まされる人もいます。

3、原因

• 更年期にさまざまな症状が現れる最大の原因は、女性ホルモン（エストロゲン）の減少による自律神経の乱れです。
• なりやすい性格
  真面目で頑張り屋、神経質、完璧主義といった性格の人と言われています。
• 環境のストレス
  仕事や子育て、子どもの巣立ち、介護など環境のストレスが大きいと、更年期の症状が重くなることが知られています。

4、治療

更年期障害の治療の中心は、ホルモン補充療法と漢方薬です。

1）ホルモン補充療法とは
更年期障害の最大の原因は、女性ホルモン、特にエストロゲンの減少です。この不足したエストロゲンを薬で補い、自律神経のゆらぎを小さくするのがホルモン補充療法です。 
ホルモン補充療法では、人工的に作った天然型エストロゲンを含む「エストロゲン製剤」を使います。エストロゲン製剤には、貼り薬、ジェル状の塗り薬、のみ薬の3つがあります。
その効果は、乱れていた自律神経のバランスが整い、多くの症状が改善します。特に、ホットフラッシュと呼ばれる「のぼせ」「ほてり」「発汗」に高い効果を発揮します。そのほか、イライラや気持ちの落ち込みが改善したり、記憶力や集中力が戻ったりして自信を取り戻して前向きになる人もたくさんいます。
エストロゲンだけでなく黄体ホルモンを併用することで子宮体部癌を予防します。
ホルモン補充療法で乳がんの発生頻度が少し上昇したとの報告がアメリカの方で報告されましたが、最近製剤化された天然型エストロゲン、天然型黄体ホルモン製剤では、乳がんの発生頻度が上昇しないことが報告されています。
また大腸がん・胃がん・食道がんの頻度はホルモン補充している人の方が有意に低いことも報告されています。

2）ホルモン補充療法のアンチエイジング効果
ホルモン補充療法は、更年期症状を改善するだけではなく、体の老化を予防します。
皮膚：
ホルモン補充療法は、「皮膚」を若く保つ効果があります。
加齢などによって、皮膚の厚みは薄くなり、皮膚への紫外線ダメージなどから
「しみ」「そばかす」などが生成されます。
ホルモン補充療法によって「エストロゲン」が補充されると、皮膚の「コラーゲン」生成が促され、皮膚の厚みが増します。さらに、皮膚の保水効果、キズが治りやすくなる効果もあり、皮膚のコンディションが良くなります。
ホルモン補充療法は、「皮膚」が薄くなるのを防ぎ、肌の見た目を若々しく保つ効果があるのです。
膀胱、膣の粘膜の若返り：
ホルモン補充療法は、「性交痛」や「排尿症状」などの泌尿器症状を改善する効果があります。
加齢などによって「エストロゲン」が低下すると、腟粘膜が薄くなり「性交痛」などの症状が起こります。ホルモン補充療法によって「エストロゲン」が補充されると、腟粘膜が若返り、「性行痛」が改善します。さらに、「過活動膀胱」や「尿失禁」などの排尿症状を和らげる効果も期待できます。
骨：
ホルモン補充療法は、「骨」を丈夫にして骨折を予防する効果があります。
加齢などによって「エストロゲン」が低下すると、急激に骨量は低下し「骨粗しょう症」につながります。ホルモン補充療法によって「エストロゲン」が補充されると、骨密度は改善し、骨が強くなり、骨折の予防効果があります。

3）漢方療法
体全体の調子を整えてくれる漢方薬は、更年期障害の治療によく使われます。 とくに、当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）、加味逍遙散（かみしょうようさん）、桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）は「婦人科三大処方」とも呼ばれ、更年期障害の治療によく用いられます。
当帰芍薬散は、体力が弱く（虚証）、冷え症で貧血の傾向があり、疲れやすい人に向いています。
加味逍遙散は、体力が普通から弱い人で（中間証～虚証）、のぼせや肩こり、疲れやすい、不安、イライラといった症状がある人に向いています。
桂枝茯苓丸は、比較的体力があり（実証）、肩こりや頭痛、めまい、のぼせ、足の冷えなどの症状がある人に向いています。

4）ホルモン補充療法（1ヵ月あたりの料金）
〇エストラーナテープ（15枚）＋エフメノカプセル100mg（10カプセル）　1,230円
〇ジュリナ0.5mg（30錠）＋エフメノカプセル100mg（10カプセル）  1,210円
〇ル・エストロジェル（1本） ＋エフメノカプセル100mg（10カプセル）  1,360円
※初診料あるいは再診料が別途必要となります。

月経困難症

1、月経困難症とは

生理に伴う腹痛などの痛みが強く、日常生活に支障をきたす状態を指します。 たとえば「生理痛がひどくて起きられない」「痛みがひどくて学校や会社を休んでしまう」などの状態です。
主な症状には下腹部痛、腰痛、吐き気、倦怠感などがあり、生理が終わると症状もなくなります。月経困難症には「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」の2つがあり、多くの人は機能性月経困難症に当てはまります。
このタイプの主な原因はプロスタグランジンの過剰分泌です。
一方、器質性月経困難症は子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などの疾患が原因で起こります。

2、治療

1）月経困難症の痛みを和らげるには、鎮痛剤が有効です。
とくに、非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）は痛みの原因であるプロスタグランジンの生成を抑える作用があります。
代表的なのはロキソプロフェンやイブプロフェンなどで、市販薬でも販売されています。
これらの薬はプロスタグランジンが作られる前、つまり痛みが強くなる前に服用すると効果的です。早め早めに鎮痛剤を飲むことが大切です。痛みのひどい日は、痛みが弱くても朝・昼・晩　鎮痛剤を飲んでください。
人によっては「カラダが薬に慣れてしまうのでは」「副作用が心配」と鎮痛剤の使用を避けている人もいるのではないでしょうか。
ですが、鎮痛剤の耐性については用法・用量を守り、短期間の使用であれば問題ないとされています。

2）低用量ピル
低用量ピルは、月経困難症の対策に効果的です。
痛みの原因となるプロスタグランジンは、子宮の内側にある子宮内膜で作られます。
ピルに含まれるホルモンは排卵を抑えるので、子宮内膜が薄くなりプロスタグランジンの生成が抑えられます。そのため月経量は減り、月経痛は改善します。
ピルと聞くと「避妊に使うもの」「副作用が怖い」というイメージがあるかもしれませんが、実際には多くの婦人科医院で子宮内膜症や月経困難症にピルは使用されています。
高度な月経痛は、70％に子宮内膜症を合併していると言われています。
ピルを飲むことで子宮内膜症を予防できます。
副作用については、静脈血栓症などのリスクがありますが、そのリスクは妊娠されている方の半分以下です。そのため、ピルを使用する際には医師による適切な処方と説明を受け、定期的に受診するようにしましょう。

3）漢方薬
当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）
血流を良くしてカラダを温めるとともに、女性ホルモンのアンバランスによる不調を整え、生理に伴う症状にはたらきかけます。また浮腫などの改善効果もあります。
芍薬甘草湯（しゃくやくかんぞうとう）
月経痛に効果がある。シャクヤクには鎮痛・鎮静作用があり、甘草には鎮静、鎮痙、抗炎症作用がある。これらの効果により子宮を収縮させるプロスタグランジンの産生を抑え月経痛を緩和する。予定月経の2～3日前から飲み始めると効果的です。

月経不順

1、月経不順とは

正常の月経周期日数は、25～38日と定義されており、これに当てはまらないものが月経不順とされます。
月経周期が24日以内の場合は頻発月経といい、排卵の有無により卵胞期の短縮、黄体期の短縮（黄体機能不全）および無排卵性月経などに分類されます。初経から間もない時期や閉経前によくみられます。また逆に、月経周期が39日以上3か月以内のものを希発月経といい、無排卵周期症や卵胞の成熟が遅れることにより卵胞期が長くなってしまうことが原因です。更に周期や出血の量、期間からみて月経とは異なる出血である場合は機能性子宮出血といいます。
月経不順や無月経の原因で多いものは、急激なダイエットやストレスによるホルモンバランスの崩れであり、悩みや不規則な生活によって月経リズムが乱れる人もいます。また、子宮や卵巣、甲状腺などの病気が原因になることもあります。
＊原発性無月経とは
18歳を迎えても、まったく生理の発来をみないものを原発性無月経といいますが、15歳になっても月経が来ない場合は、婦人科を受診する方が望ましいとされています。いろいろな検査を行って原因の検索に努めます。
これに対し、生理のあった女性が、次の予定の頃になっても出血が始まらない場合を、続発性無月経と呼びます。

2、検査

血液検査で卵巣から出る女性ホルモン（卵胞ホルモン・黄体ホルモン）や脳下垂体ホルモンの量を調べます。
エコー検査をして子宮・卵巣に異常がないかどうかを調べます。
原発性無月経では、血液を採って染色体検査をすることもあります。

3、治療

女性ホルモンの量や妊娠希望があるかないかで治療は異なります。
妊娠希望がない場合は基本的に不足している女性ホルモンを補う治療となります。

4、体重管理

過度のダイエットをしている人、長距離走、新体操などのアスリートは無月経になりやすい。エストロゲンの原料はコレステロール（脂肪）。
痩せすぎると、コレステロールが減り、血中エストロゲン（E₂)が産生されなくなり月経が止まります。低エストロゲン状態が長引くと骨密度が低下し、疲労骨折を繰り返します。
※骨密度は8歳頃から18歳頃までしか増えない
女性ホルモンは骨にとても大事で、女性ホルモンが減少すると骨密度はどの年齢であっても減り、一度減った骨量は元へ返りません。

5、対策

• 15歳で月経の無い人は産婦人科を受診すること。
• エストロゲン量を測定して低下している場合は、女性ホルモンを補充して、2ヵ月に一回は最低月経を起こさせる。
• 骨密度を測定する。
• BMI（体重/身長²）は、最低で17.5（150cm40kg、160cm45kg）
  できれば18.5（150cmで41.6kg、160cmで47.4kg）を目標とする。

月経前症候群（PMS）と月経前不快気分障害（PMDD）

1、PMS症状

月経前3日～10日にイライラ、落ち込みなどの症状が出て、月経後4日以内に消失。

2、原因

はっきりわかってはいないが月経前の女性ホルモン（卵胞ホルモン、黄体ホルモンの急激な変動が関わっていると考えられている。
PMSのうち特に精神症状の強いものをPMDDとしている。

3、頻度

思春期の女性11.8％にPMSがあり、2.6％にPMDDが見られるとの報告がある。

4、治療

　1）低用量ピル：月経中のホルモン変化をなくすことでPMSが改善します。

　2）漢方薬：加味逍遙散（かみしょうようさん）などの精神安定作用がある薬を処方します。

　3）向精神薬：抗うつ剤などを処方することもあります。

各種感染症（性病）検査・治療

1、性病検査

膣分泌物を調べることで、クラミジア、淋菌、トリコモナス感染などがわかります。また血液検査でエイズ感染、梅毒感染などがわかります。

2、治療

クラミジア、淋菌、トリコモナス感染、梅毒などは病気にあった抗菌剤あるいは抗生物質を服用することで治療できます。

家族計画

ピル処方

1、ピルとは

経口避妊薬として開発された2種類の女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」を配合した錠剤です。
エストロゲンの配合されている量や使用目的によって種類が変わり、一般的に、避妊目的であれば「低用量ピル」を服用することが多いです。ほかにも月経困難症などの治療目的として使用されることもありますが、その場合は「超低用量ピル」を処方されることもあります。そのほか、生理日移動では「中用量ピル」、緊急避妊ではエストロゲンを含まない「アフターピル」が処方されます。

2、ピルの副効用

ピルの種類にもよりますが、低用量ピルは避妊効果だけでなく、副効用として生理痛・PMS（月経前症候群）の症状の緩和、生理周期の安定化、肌荒れの改善なども期待できます。
また、子宮体がんや卵巣がんを予防する効果もあります。

3、副作用

吐き気、嘔吐、めまい、ふらつき、頭痛、むくみなどです。
副作用の中でも特に重大なものとして、血栓症リスクの増加があります。
ピルを服用していて血栓症になる人の割合は、1万人あたり3～9人と非常にわずかなものです。妊娠・出産によって血栓症になる人の割合の方が大きいため、血栓症リスクの面だけで言えば、ピル服用は妊娠・出産よりも安全であると言えます。

4、ピルの種類

ピルにはいくつか種類があり、それぞれ少しずつ特徴が異なっています。以下で詳しく解説していきます。

①ラベルフィーユ
ラベルフィーユは低用量ピルで、避妊を目的として処方され、副効用として生理痛改善・生理不順改善などを目的として処方されます。副作用として、頭痛・下腹部痛・乳房の張りなどが起きる可能性があります。他の低用量ピルと違って1シートの中にホルモン量の異なる錠剤が3種類入っている（三相性ピル）ため、本来の体内のホルモンバランスに近い状態を保ったまま服用を続けることができ、不正出血が起きにくいとされています。
価格は3,300円（税込）です。

②マーベロン
マーベロンは、卵胞ホルモン・黄体ホルモンの量がどれも同じ一相性ピルで、避妊を目的として処方され、肌荒れの改善にも効果があります。これは、他の低用量ピルに比べてマーベロンは男性ホルモンを抑える作用が強く、男性ホルモンの過剰分泌が原因とされる肌荒れに効果的にアプローチするためです。
価格は3,300円（税込）です。

③ルナベル・フリウェルULD
ルナベルとフリウェルには、低用量タイプと超低用量タイプの2種類があり、共に一相性ピルです。
これらは月経困難症の治療目的で処方された場合は保険適応になります。避妊効果はあるものの、避妊目的での処方は受けることができません。副作用として、頭痛・腹痛・不正出血などが起きる可能性があります。

緊急避妊薬（アフターピル）

避妊に失敗した時や性被害にあった時は、女性が産婦人科·婦人科を受診し、72時間（3日）以内に緊急避妊薬（通称アフターピル、緊急避妊ピルともいいます）を服用することで、妊娠を防ぐことに役立つ薬です。緊急避妊薬は、性交からできるだけ早く服用することが効果的で、主に排卵を遅らせるなどの作用により妊娠の成立を防ぎます。そのため、緊急避妊薬服用後には避妊効果が続きません。避妊の成功が確認できるまで、効果的な避妊法の使用もしくは性行為を避けることが勧められます。緊急避妊薬はあくまで緊急用のもので、普段の避妊法としては向きません。

緊急避妊薬

日本で認可されている緊急避妊薬はLNG（レボノルゲストレル）という薬があります。緊急避妊薬は性行為からできるだけ早く、72時間以内に1錠服用します。緊急避妊薬の服用までの時間と妊娠阻止率は、24時間以内（95％）、25～48時間以内（85％）、49～72時間以内（58％）と、早く服用した方が効果が高いことがわかっています。ノルレボの添付文書によれば、実際に緊急避妊薬を72時間以内に服用したにも関わらず、妊娠してしまう確率は1.34%と報告されています。

費用は、自費となり8,000円（+消費税）かかります。

子宮内避妊システム・子宮内避妊具

女性の体内に挿れる避妊具「IUS（ミレーナ）」と「IUD（FD-1）」は、女性主体でできる避妊方法として注目を集めています。
IUSとIUDは、どちらも女性の子宮に入れて使用する避妊器具です。避妊効果がある点では同じですが、身体への働きかけに違いがあります。

IUS（ミレーナ）
IUSとは、子宮内黄体ホルモン放出機能のついた避妊器具です。
黄体ホルモンを放出することで子宮内膜の増殖をおさえて、受精卵の着床を防ぎます。子宮内膜が増殖しにくくなるため、生理の月経量が減り、生理痛も軽くなります。
IUSは黄体ホルモンを放出し、微量ながら母乳中に移行することが報告されています。授乳は可能ですが、医師と相談ください。
1.5％ぐらいに自然脱出することがあります。
費用は避妊目的の場合は、自費となり、40,000円程度します（再診料などが別途加算されます）
月経困難症が強く治療のためにミレーナを入れる場合には保険適応となり3割負担で約15,000円程度となります。
一度入れると5年間は入れ続けることができます。

IUD（FD-1）
IUDは子宮内に装着することで子宮内の環境を変える避妊器具です。精子の運動を阻害し、精子・卵子の受精を妨げ、避妊効果を発揮します。
一度入れると5年間は入れ続けることができます。
費用は25,000円程度します。

IUD,IUS共に3か月後に、子宮内の良い位置に入っているかどうか確認します。1年後にエコー検査で確認する必要があります。
子宮下部に移動したり、子宮から脱出すると避妊効果がなくなります。

子宮がん検診

1、子宮頚がん検診

子宮頚部（子宮の下部、膣に少し出ている部分）の細胞を調べる検査です。
一般的に子宮のがん検診といえばこの検査のことを指します。

2、子宮体がん検診

子宮の奥にある子宮内膜という部分の検診です。不正出血がある場合などに調べます。

子宮頚部がんワクチン

1、子宮頸がんとは

子宮の出口に近い部分にできる癌です。
日本では毎年約1.1万人の女性が子宮がんにかかり、約2900人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。子宮頸がんの約95%は、HPV（ヒトパピローマウイルス）の感染が原因です。

2、HPVワクチンとは

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス（HPV)の感染を防ぐワクチンで『2価ワクチン』、『4価ワクチン』、『9価ワクチン』があります。

3、9価ワクチンとは

HPVにはいくつかの種類があり、9価ワクチンはこのうち9種類のHPVを防ぐワクチンです。子宮頸がんの80～90％を予防できます。
ちなみに2価、4価ワクチンは、50～70％の予防効果があります。
15歳までなら初回とその6か月後の2回接種、15歳以上なら初回とその2か月後、6か月後の3回接種する必要があります。

4、ワクチンの副反応：50％以上 局所痛10～50％ 腫れ1～10％ めまい1％未満

重篤な副作用が以前問題となりましたが、同様の副作用が他のワクチンでも起こり、またワクチンを打ってない人でも起こることがわかり、現在厚生労働省はHPVワクチン接種を推奨しています。

5、公費で接種できる対象

小学校6年生～高校1年生ですが、平成9年（1997.04.01）～平成18年（2007.04.01）生まれの女性も令和7年（2025年）3月末までに1回でもHPVワクチンをうてば、令和8年3月末まで公費でcatch up接種ができます。

ブライダルチェック（プレコンセプションケア）

ブライダルチェックは、結婚する前に行う検査と思われがちですが、現在のからだの状態を把握し、将来の妊娠や身体の変化に備えて、自分たちの健康に向き合うための健康診断です。
クラミジア、淋病などの性感染症や、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの腫瘍があると、妊娠や出産、胎児に影響を与える可能性があります。
それらの疾患は、症状がないことも多く、事前に検査を行い、必要であれば、妊娠前に適切な治療を行ったり、予防接種を受けるなど対策ができます。
また、貧血、甲状腺疾患などの内科的疾患の有無、女性ホルモンの状態、栄養チェックなどを行うことにより、妊娠前の自分の身体の状態を知り、今後の健康管理を考え、より妊娠しやすい身体作りに役立ちます。
不妊の原因は、男女半々とされており、男性にも検査していただき、早めに妊孕性を意識していただきたいと思います。

●ブライダルチェックの流れ

※ブライダルチェックは、病気の方を対象に行われる検査ではありませんので、健康保険は適用されず、すべて自費診療となります。
オプション価格は、基本セットと組み合わせた場合にのみ適用されます。
 ※当院でのお支払いは、現金のみとなっております。